生活が苦しいのあなたのせいではない!!支出の変化 2-2.水道料金の変化

2-2.「平成」から「令和」にかけての水道料の変化

人が生きていくために必要な水道料について見ていこうかの

 

水は生活の中でもっとも重要な要素1つだし、水道料は変わってないんじゃないの?

 

それでは、実際どのように変化してったみていくことにしよう。

【図4-2-1】は、各年度の上下水道料における年度毎の消費者物価指数の推移となります。消費者物価指数とは、消費者が購入する生活用品の価格変動を示す指数と定義されています(ブリタニカ国際大百科事典より)。例えば、スーパーで買い物をした際、トマトの価格が1個100円だとします。翌年、同じスーパーに行き、トマトを買うと110円となっていました。この場合、100円の年の価格を物価指数基準年として物価指数100とした場合、翌年のトマトにおける物価指数は100円から110円に値上がりしていることから、翌年の消費者物価指数は110となります。左記の例は1スーパーのみでの数値となりますが、このような調査を多数行いその平均価格の変動を表したものが、消費者物価指数となります。

 

 

【図4-2-1】

 

出典:総務省 消費者物価指数

 

上記は上下水道料の消費者物価指数です。平成27年を基準年とし、平成27年を100とした場合の各年度における消費者物価指数となります。直近年度の平成30年度における消費者物価指数が、101.5であるのに対して、平成元年の67.6と大きく下回っています。仮に、月額の上下水道料が基準年度の平成27年において4,000円であった場合、平成30年度においては4,060円となり、平成元年においては2,704円となります。令和元年8月の消費者物価指数が101.8となっています。この場合、基準年度の上下水道料の4,000円の場合、4,072円となります。このように、平成元年と直近令和8月の月額水道料を比較した場合には月額1,368円のも差が発生していることになります。単純に年換算を行うと16,416円の家計の負担増につながっています。もちろん、季節によって水道使用量は変わることから、直近の令和元年8月の数値を年換算すること適切とはいえない場合もありますが、直近年度の平成30年度においては、4,060円であることを勘案するとあながち間違っていないかもしれません。いずれにしても上下水道料金の増加は各家庭において大きな負担に繋がっていることは間違いないかと思います。



それでは、今後水道料金が平成元年のような水準に下がることがあるのでしょうか。近年では、水道管の老朽化が問題となっています。水道菅が破裂して漏水するといったケースも増えてきているようです。漏水の原因としては、水道管の耐用年数は一般的に40年と言われているが、その耐用年数を経過した水道管も今も使い続けていることから原因ということです。じゃあ、水道管の取り換えをすればいいじゃないかという声も聞こえてきそうですが、水道管の取り換えには、莫大な予算が必要なことがわかっており、それを負担するだけの資力が各自治自体の水道局にないことから、本来は取り換え作業をしなければならないものの、その更新が進んでいないことが原因となっています。本来的にはその更新工事の予算を確保し、更新工事に対する金額の留保を考慮した水道料金の設定を平成より前の時代から実施しなければならかったものの、それができていなかったというのが現実ではないでしょうか。水道局のずさんな経営のつけを、今を生きる我々の世代が負担しなければならないことは不可避となりそうです。とはいえ、経営側においても一般企業のように、会社の経営判断1つで決めることができず、議会において承認をもらわなければならないという実態もあり、このような長期的判断が遅れたということの原因が一人責任者に特定できないというのは残念なことです。このため、現在ではこの問題に取り組むべく、日本企業のノウハウを活かすために民営化を進めることを検討している自治体も多いようですが、ライフラインのなかで最も重要となる水道を民営化には大きな抵抗もあり、あまり進んでいないというのが現状です。

上記のような状況であることを勘案すると今後しばらくの間、水道料金は上がることはあっても、下がることはないことが予想され、私たちの家計の負担がますます増加することは避けては通れないことが予想されます。

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