最近、「家が高くて買えない」という声が増えていますね。私も家を買うタイミング逸してしまった一人ですが、近年の不動産の価格高騰についていくことができず、未だに賃貸で過ごしています。なぜこれほどまでに不動産価格は上がってしまったのでしょうか。
近年、日本の不動産価格が上がった背景には、さまざまな要因があります。
1.建築費の上昇: 建築資材やエネルギー価格の高騰、さらには人手不足による人件費増加が影響しています。このため、新築物件の価格が全体的に引き上げられました。
2.低金利政策: 日本銀行の金融緩和政策によって住宅ローンの金利が低水準に抑えられ、不動産市場への需要が高まりました。
3.外国人投資家の参入: 日本国内の不動産が海外の投資家にとって魅力的な資産と見なされ、資金流入が進んだことも価格上昇の一因となっています。
4.供給不足: 都市部では土地供給が限られているため、需要に追いつかず価格が上がりやすい状況です。また、マンションの供給量を意図的に絞る動きも指摘されています。
5.人口動態の変化: 一人暮らしや少人数世帯の増加により、需要が一部地域で集中し、地価が上昇しました。
これらの要因が絡み合い、不動産市場の変動が続いている状況です。特に都市部では、住む場所の選択がますます重要になってきています。どの要素が一番大きく影響しているかを考えるのも興味深いですよね!
建築費の上昇について詳しく教えて外国人投資家が与える影響は何ですか?現在の不動産市場のトレンドについて知りたい
では、実際どれほど上がってしまったのでしょうか?
2015年から2025年の公示価格を比較
以下は、県庁所在地別の2025年公示価格のランキングと2015年と2025年の公示価格を比較した場合の増加率を示したものとなります。
なお、公示価格とは、国土交通省が毎年3月頃に発表する、日本全国に点在する標準地の1平方メートルあたりの適正な価格のことです。この価格は、地価公示法に基づいて設定され、土地の売買や公共事業の用地取得の際の基準として使われます。なお、時価ではないのため、実務上は実際の取引価額は公示価格を上回ることが多いですが、毎期一定の基準に基づき算定されることから、信頼性も高く、その上昇率を確認する指標としては優れていることから、以下、公示価格に基づき確認をしています。
(単位:円/㎡)
順位 | 県庁所在地 | 2015年 | 2025年 | 増加率 |
1位 | 東京都23区 | 518,600 | 771,600 | 48.8% |
2位 | 大阪市 | 233,300 | 282,800 | 21.2% |
3位 | 横浜市 | 217,800 | 257,000 | 18.0% |
4位 | 福岡市 | 120,500 | 239,800 | 99.0% |
5位 | 京都市 | 194,400 | 238,700 | 22.8% |
6位 | さいたま市 | 178,200 | 238,400 | 33.8% |
7位 | 名古屋市 | 168,300 | 222,300 | 32.1% |
8位 | 那覇市 | 126,400 | 207,500 | 64.2% |
9位 | 神戸市 | 143,700 | 165,200 | 15.0% |
10位 | 広島市 | 106,800 | 151,100 | 41.5% |
11位 | 千葉市 | 116,800 | 140,800 | 20.5% |
12位 | 仙台市 | 72,900 | 129,800 | 78.1% |
13位 | 静岡市 | 112,100 | 117,100 | 4.5% |
14位 | 札幌市 | 61,000 | 115,600 | 89.5% |
15位 | 奈良市 | 96,000 | 103,100 | 7.4% |
16位 | 鹿児島市 | 90,200 | 94,800 | 5.1% |
17位 | 松山市 | 92,800 | 94,300 | 1.6% |
18位 | 金沢市 | 70,400 | 90,600 | 28.7% |
19位 | 熊本市 | 64,700 | 80,000 | 23.6% |
20位 | 大津市 | 71,900 | 78,800 | 9.6% |
21位 | 高知市 | 72,900 | 74,800 | 2.6% |
22位 | 徳島市 | 71,400 | 73,000 | 2.2% |
23位 | 長崎市 | 55,400 | 71,100 | 28.3% |
24位 | 岐阜市 | 63,300 | 65,900 | 4.1% |
25位 | 高松市 | 55,700 | 65,200 | 17.1% |
26位 | 大分市 | 48,500 | 65,200 | 34.4% |
27位 | 岡山市 | 56,800 | 64,800 | 14.1% |
28位 | 宇都宮市 | 57,400 | 64,800 | 12.9% |
29位 | 山形市 | 48,300 | 62,000 | 28.4% |
30位 | 和歌山市 | 59,000 | 61,900 | 4.9% |
31位 | 新潟市 | 55,400 | 58,400 | 5.4% |
32位 | 長野市 | 52,600 | 54,600 | 3.8% |
33位 | 盛岡市 | 46,100 | 53,800 | 16.7% |
34位 | 福井市 | 52,500 | 52,900 | 0.8% |
35位 | 松江市 | 49,400 | 51,100 | 3.4% |
36位 | 前橋市 | 51,500 | 50,900 | -1.2% |
37位 | 福島市 | 40,600 | 50,700 | 24.9% |
38位 | 宮崎市 | 46,400 | 50,400 | 8.6% |
39位 | 佐賀市 | 36,800 | 47,900 | 30.2% |
40位 | 富山市 | 41,900 | 47,000 | 12.2% |
41位 | 甲府市 | 48,200 | 43,300 | -10.2% |
42位 | 津市 | 41,600 | 41,900 | 0.7% |
43位 | 水戸市 | 41,100 | 39,600 | -3.6% |
44位 | 鳥取市 | 39,300 | 39,400 | 0.3% |
45位 | 山口市 | 31,100 | 38,600 | 24.1% |
46位 | 秋田市 | 32,200 | 35,200 | 9.3% |
47位 | 青森市 | 33,700 | 34,300 | 1.8% |
東京23区の公示価格は圧倒的な1位に君臨しています。2位の大阪市と比較して2.7倍以上の1㎡あたりの単価となっています。
ニュースでもマンションの平均単価が1億円超えになった等、もはや普通の家庭が東京23区内に家を買うのは不可能という水準まで上がってしまっています。10年前の2015年と比較しても、48.8%増加しており、単純に1.5倍程度は上がっている状況になります。東京23区内の平均で1.5倍上がっていることを考えると場所によっては倍以上となっていることは間違いないかと思います。
また、場所によっては、むしろ10年前より公示価格が下がっているような地域もあります。
不動産価格が上昇しているなかで、上記にように下がっている地域があるのは、東京一極集中の反動として出ているものと推定されます。
なお、通常、県庁所在地が最もその都道府県において最も栄えていますが、例外的に県庁所在地より高い公示価格が出てくるような場所もあります。その要因としては、県庁所在地より交通の便がよい(新幹線の駅がある)等の理由があるため、上記の順位が必ずしも県全体の平均価格と一致するかというとそういわけではないかと思いますので、不満のある方もいらっしゃるかもしれませんが、ご容赦ください。
まとめ
下記の通り、上位5位の県庁所在地は以下の通りですが、そのなかでも東京が突出していることがわかります
原材料等を原因とした物価高もあり、なかなか大きく下がることが期待できない状況ではありますが、実需と一致していない環境が永遠に続くとも考えられないため、今後も注視する必要があります。
順位 | 県庁所在地 | 2015年 | 2025年 | 増加率 |
1位 | 東京都23区 | 518,600 | 771,600 | 48.8% |
2位 | 大阪市 | 233,300 | 282,800 | 21.2% |
3位 | 横浜市 | 217,800 | 257,000 | 18.0% |
4位 | 福岡市 | 120,500 | 239,800 | 99.0% |
5位 | 京都市 | 194,400 | 238,700 | 22.8% |
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