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グローバル化

「平成」はグローバル化が大きく進んだ時代ともいえることができるのではないでしょうか。国土交通省の統計資料「航空輸送統計 旅客数、貨物量の推移」を見ても毎年の国際線旅客数は増加しており、人の行き来は今後も増加することが見込まれます。また、前述のインターネットの普及は距離を克服し、瞬時に大量のデータをやりとりすることを可能としました。インターネットを通じた大量のデータのやりとりは、急速に世界との距離を縮めていきました。その結果、「平成」から「令和」の時代においては、個人が容易に海外から買い物することが可能となりました。また、企業において急速なグローバル展開を進める大きな要因となりました。インターネットがない時代においては、書面、FAX電話等しか、海外との通信手段がなかったことを考えると、インターネットによって瞬時に大量のデータをやりとりできる手段を得たことは、この平成における最も大きなイノベーションであったといっても過言でないかと思います。もちろん現在においても重要な交渉については対面で実施されることが多く、必ずしもインターネットを利用したことで契約が増えたとは言えないまでも、その後の交渉のやりとりにおいてインターネットを利用されているかと思います。

また、インターネットはコスト面においても優位性があります。すなわち、インターネットは基本的には毎月定額により一定量の通信を使用することが可能であり、Skype等を利用して電話会議を利用しても追加の費用が不要となりました。また、メールにおいて、画像や文書をPDF化したものを一瞬にして送ることが可能であり、またOffice等を利用すれば、共通のファイルを世界どこにいても共有することが可能となり、グローバル進出を容易にしています。

【図1-6-1】をご覧ください。【図1-6-1】は財務省が公表している「貿易指数(対世界)の推移」となります。「貿易指数(対世界)の推移」は基準年度となる平成27年度の輸出数量及び輸入数量を100として、その増減を示したものとなります。

 

【図1-6-1】

 

 

 

 

 

 

 

 

(出典:財務省「貿易指数(対世界)の推移」)

「貿易指数(対世界)の推移」をみると、平成27年を100とした場合における平成元年の輸入数量指数45.6となります。輸入数量だけでも、倍以上増加している状況にあることがわかります。また、輸出数量についても、バルブの全盛期であった平成元年の67.5と基準年度となる平成27年を比較しても輸出数量指数が1.4倍以上増加しています。平成元年当初においては、日本はバブル経済の最中にあり、輸出も好調であったことを勘案するとその指数の伸び率のすごさがわかるかと思います。これはこの平成の間、いかにグローバル化が進んだかということがわかる1つの指標かと考えられます。

なお、この平成に間において一時期、輸出・輸入量が大きく落ち込んでいる時期がありますが、これはリーマンショックの影響によるものです。また、リーマンショック後の輸出数量指数と輸入数量指数は同程度に推移しています。これは企業がグルーバル展開を行ううえで、アジア圏のコストの安い地域工場を移し、海外で製造したものを日本に輸入していること並びに中国の成長が鈍化したことが大きいな影響を与えているものと考えられます。。



いずれにしても、今後もグローバル化が後退するような要素はなく、同じような水準で推移をすることが予想されます。近年ではあまり言われることがなくなった「グローバル化」という言葉、世界との距離が近づいたことにより、我々にとって海外の人や会社と交流することは、当たり前のこととなったことにより、社会の常識となっていきましたが、「平成」から「令和」にかけての大きな変化の1つになり得ます。

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