日本は長らくデフレが続いてきましたが、近年では明らかにインフレに転じています。実際、2025年5月の消費者物価指数(総合指数)は、2020年を基準(100)として118.8に達し、5年間で約10ポイントの上昇が見られました。この中で、お米の価格が一時2倍以上に上昇した時期もありました。そのため、実生活では物価が上記の指標よりさらに高く感じられる方も多いのではないでしょうか。
こうした状況は、身近なコンビニエンスストアにも影響を及ぼしています。商品の価格が例外なく上昇しており、先日、久しぶりにコンビニに立ち寄ってお昼ご飯を購入しようとした際、値段の上昇に驚きを感じたほどです。このような物価高の状況では、消費者が買い控える傾向が見られ、コンビニ大手の業績にも影響が出ているのではないかと感じました。そこで、以下では各社の業績について詳しく確認していきたいと思います。
コンビニ大手3社の特徴
コンビニの大手3社としては、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの3社となります。
コンビニというどれも同じと考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれ特徴がありますので、まずはそれぞれについて見ていきましょう。
セブンイレブン
セブンイレブンといえば、圧倒的な店舗数と売上を誇るコンビニの国内最大手となります。地域密着型の「ドミナント戦略」によって特定エリアに密集して出店し、物流効率を最大化にする戦略を取っています。また、プライベートブランド「セブンプレミアム」で質の高い商品を提供するとともに、独自の銀行サービスも展開しているという強みを持っています。
特にセブンプレミアムの商品は、特に拘りをもって製造されおり、値段は高いですが、本当に良い商品が多いように思います。
ファミリーマート
ファミリーマートは、国内2番手のコンビニとなります。ファミリーマートでは、オリジナル商品「ファミマコレクション」が、幅広いカテゴリーの商品を取り揃え、多くの消費者に愛されています。特に、看板商品である「ファミチキ」は、ジューシーで食べ応えがあり、クリスマスを含め大人気の商品となっています。また、 「ファミペイ」というアプリを通じて、決済やクーポン、ポイントサービスを簡単に利用できるサービスも提供しています。さらに、 通常店舗だけでなく、健康志向の「ファミマ!!」や、観光地向けの店舗など、顧客ニーズに応じた多様な業態が展開されているのが特徴があります。
ローソン
ローソンは、国内3番手のコンビニとなります。ローソンの特徴といえば、 ナチュラルローソンとローソンストア100かと考えています。ナチュラルローソンでは、栄養価にこだわった食品や低糖質商品を提供し、忙しい毎日でも健康を意識した選択ができるようような工夫がされています。またローソン100は、 低価格商品を扱う「ローソンストア100」は、日常品から食品まで豊富な品揃えで、家庭の味方になることをコンセプトにしています。
コンビニ大手3社の業績比較
上記のような特徴をそれぞれ持っているコンビニ大手3社ですが、この物価高のなかで、業績はどのよように推移しているのでしょうか。
以下は、2024年2月期及び2025年2月期の業績の比較となります。
【2024年2月期】
セブン・アイ・ホールディングス | ファミリーマート | ローソン | |
営業収益 | 11,471,753百万円 | 507,812百万円 | 27,509百万円 |
事業利益 | 507,086百万円 | 83,763百万円 | 940百万円 |
当期利益 | 224,623百万円 | 51,855百万円 | 521百万円 |
【2025年2月期】
セブン・アイ・ホールディングス | ファミリーマート | ローソン | |
営業収益 | 11,972,762百万円 | 503,707百万円 | 28,918百万円 |
事業利益 | 374,586百万円 | 85,033百万円 | 1,050百万円 |
当期利益 | 173,068百万円 | 84,978百万円 | 599百万円 |
ファミリーマートを除く、セブン・アイ・ホールディングス(セブンイレブンを含む親会社のことです。)及びローソンの営業収益は、増加しています。当期利益はというと、セブン・アイ・ホールディングスを除く、ファミリーマート及びローソンにおいて増加しています。特にファミリーマートについては、売上高を落としているにも関わらず、利益が増加しているという点で、不採算店舗を一部整理したのではと予想されます。一方で、セブン・アイ・ホールディングスについては、コンビニのほか、スーパー等の売上も含まれていることから、単純ではないものの、物価高による物流コスト等のコスト増が上回る結果となっていることが伺えます。
ちなみに、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの店舗数は以下の通りです。
セブンイレブン | ファミリーマート | ローソン | |
国内 | 21,743店舗 | 16,306店舗 | 14,694店舗 |
海外店舗数 | 12,963店舗 | 8,455店舗 | 7,394店舗 |
海外店舗数 | 34,706店舗 | 24,761店舗 | 22,088店舗 |
*1:ファミリーマートは、2025年5月31日現在の店舗数となります。
セブンイレブンの国内及び海外での店舗数の多さにはびっくりしますね。
まとめ
上記の通り、コンビニ大手各社では、この物価高なかでも一定の業績を維持していることが、伺えます。これにより、この物価高なかでも、皆様がコンビニでお買い物されているということが見て取れます。この物価高を超える勢いで給料も上がっていくことで日本が少しでも元気になればいいなと願います。
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