お金の考え方

30年間の投資シミュレーションで見る「複利」の破壊力

 

 

「投資は怖い」「損をするかもしれない」

そう感じて、なかなか一歩を踏み出せない人は少なくありません。しかし、世の中にはリスクを冒してでも投資を続ける人が大勢います。なぜ彼らは、大切なお金を市場に投じるのでしょうか?

その答えの一つが、時間を味方につけた複利(ふくり)の力にあります。

本記事では、投資額100万円から1億円までの幅広いレンジで、30年間運用した場合に資産がどう増えていくのかをシミュレーションしました。単利と複利の違いや、投資を行うメリット・デメリットについても詳しく解説します。

投資と時間のイメージ
時は金なり。投資において時間は最大の武器です。

1. なぜ、リスクを冒してまで投資するのか?

銀行に預けておけば、元本は保証されます。しかし、現在の日本の普通預金金利は0.001%〜0.02%程度。100万円を1年間預けても、利息はわずか10円〜200円です。これでは、ATMの手数料一回分にもなりません。

一方、株式や債券などに投資をする人々がリスクを取る理由は、主に以下の2点です。

① インフレリスクへの対抗

モノの値段が上がる「インフレ」が起きると、現金の価値は相対的に下がります。例えば、インフレ率が2%の場合、今の100万円は1年後には実質98万円の価値しかなくなります。投資によって資産を増やさなければ、「何もしないこと」自体がリスクになってしまうのです。

② 労働収入の限界を超える

働いて稼ぐお金(労働収入)には、時間や体力の限界があります。しかし、お金に働いてもらう(資産収入)ことには限界がありません。投資は、自分が寝ている間も資産が増え続ける仕組みを作ることができる唯一の方法です。

2. 「単利」と「複利」の決定的な違い

投資の利益には「単利」と「複利」の2種類があります。

  • 単利(たんり): 元本に対してのみ利息がつくこと。利益を毎回受け取ってしまう運用方法。
  • 複利(ふくり): 運用で得た利益を元本にプラスして再投資すること。「利息が利息を生む」雪だるま式の増え方。

アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ複利の効果は、時間が経てば経つほど劇的になります。

1000万円を年利5%で30年運用した場合の比較

年数 単利(利益を毎回引き出す) 複利(利益を再投資) 差額
0年後 1,000万円 1,000万円 0万円
5年後 1,250万円 1,276万円 26万円
10年後 1,500万円 1,629万円 129万円
15年後 1,750万円 2,079万円 329万円
20年後 2,000万円 2,653万円 653万円
25年後 2,250万円 3,386万円 1,136万円
30年後 2,500万円 4,322万円 1,822万円

30年後には、同じ元本・同じ利回りでも、複利運用するだけで1,800万円以上もの差がつきます。これが複利の破壊力です。

時間が経つほど、複利(オレンジ)の伸び方が加速していくのが分かります。

3. 【金額別】30年間の投資シミュレーション(年利5%)

では、投資額によって将来の資産額はどう変わるのでしょうか。年利5%(世界株式の長期的な平均リターンを想定)で複利運用した場合のマトリックス表を作成しました。

投資額×年数の資産推移マトリックス

100万円 500万円 1000万円 3000万円 5000万円 1億円
5年後 128万円 638万円 1,276万円 3,829万円 6,381万円 1億2,763万円
10年後 163万円 814万円 1,629万円 4,887万円 8,144万円 1億6,289万円
15年後 208万円 1,039万円 2,079万円 6,237万円 1億395万円 2億789万円
20年後 265万円 1,327万円 2,653万円 7,960万円 1億3,266万円 2億6,533万円
25年後 339万円 1,693万円 3,386万円 1億159万円 1億6,932万円 3億3,864万円
30年後 432万円 2,161万円 4,322万円 1億2,966万円 2億1,610万円 4億3,219万円

※税金や手数料は考慮していません。

【注目ポイント】

  • 100万円でも4倍以上に: たった100万円の元手でも、30年放置すれば400万円を超えます。
  • 「億り人」への道: 元本3000万円があれば、追加投資なしでも25年後には1億円を突破します。
  • 富裕層の加速: 1億円持っている人は、30年後には4億円以上になります。お金持ちがさらにお金持ちになる理由がここにあります。

4. 投資を行う上でのメリット・デメリット

最後に、投資のリスクとリターンを整理しておきましょう。

メリット

  • 資産寿命が延びる
    預金だけでは取り崩す一方ですが、運用益があれば資産の減少を緩やかに、あるいは増加させることができます。
  • 選択肢が増える
    資産が増えれば、早期リタイア(FIRE)や、より豊かな老後生活など、人生の選択肢が広がります。
  • 経済への参加
    投資を通じて企業の成長を支援し、社会経済の発展に貢献できます。

デメリット

  • 元本割れのリスク
    株価暴落や経済危機により、一時的に資産が大きく減る可能性があります。
  • 資金拘束
    長期投資の場合、数年〜数十年単位で資金を寝かせる必要があります。急な出費に対応できない場合があります。
  • 精神的な負担
    日々の価格変動に一喜一憂してしまい、ストレスを感じることがあります。

まとめ:時間は誰にでも平等な武器

シミュレーション結果からも分かる通り、投資において最も重要な要素は「金額」よりも「時間」です。少額からでも早く始めれば、複利の力を最大限に活かすことができます。

「もっとお金が貯まってから」と先延ばしにするのではなく、今ある資金で、無理のない範囲から投資を始めてみてはいかがでしょうか。30年後の未来の自分が、きっと感謝してくれるはずです。

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