
「結婚はコスパが悪い」
「一人のほうが自由にお金を使える」
近年、そんな声をよく耳にします。確かに、結婚式や子育てには莫大なお金がかかりますし、お小遣い制になれば自由度は減るかもしれません。
しかし、感情論を抜きにして「企業の合併(M&A)」と同じように財務諸表で分析してみると、全く別の景色が見えてきます。実は、結婚(特に共働き)こそが、資本主義社会における「最強の資産形成術」である可能性が高いのです。
今回は、独身を貫いた場合と結婚した場合の生涯収支をシミュレーションし、その経済的メリットを「金額」で可視化します。
目次(クリックするとジャンプ)
1. 「生活費の圧縮効果」は月5万円
結婚の最大の経済的メリットは、「規模の経済」が働くことです。1人で住んでも2人で住んでも、家賃や光熱費、家電のコストは2倍にはなりません。
1人あたりの生活費比較(月額)
| 項目 | 独身(1人暮らし) | 既婚(2人暮らし) | 1人あたりの負担 |
|---|---|---|---|
| 家賃 | 8万円(1K) | 12万円(1LDK) | 6万円 |
| 食費 | 5万円 | 8万円 | 4万円 |
| 光熱費・通信費 | 2万円 | 3万円 | 1.5万円 |
| その他 | 5万円 | 7万円 | 3.5万円 |
| 合計 | 20万円 | 30万円 | 15万円 |
このように、生活レベルを落とさなくても(むしろ広い部屋に住んでも)、1人あたりの生活費は月5万円も安くなります。年間で60万円、30年間なら1,800万円もの差が生まれます。これが「結婚プレミアム」の正体の一つです。
2. 生涯資産差は「3,600万円」
さらに、生涯にわたる資産形成額をシミュレーションしてみましょう。30歳から90歳までの60年間、年収500万円(手取り400万円)で推移したと仮定します。

シミュレーション結果(1人あたり)
- 独身の場合: 手元に残る資産 9,600万円
- 既婚(共働き)の場合: 手元に残る資産 1億3,200万円
- 差額: 3,600万円
その差額は、なんと3,600万円です。結婚するだけで、老後資金2,000万円問題など吹き飛ぶほどの資産差が生まれるのです。
3. 見えない「社会保険」のメリット
数字に表れにくいメリットとして、社会保険の「扶養」や「遺族年金」があります。
- リスク分散: どちらかが病気や失業で働けなくなっても、もう一人の収入で生活を維持できます。
- 遺族年金: 万が一の際、配偶者には遺族厚生年金が支給されます。これは民間の生命保険(数千万円分)に無料で加入しているのと同じ効果があります。
まとめ:結婚は「最強のセーフティネット」
「結婚は自由がない」というのは一面的な真実ですが、「結婚は金がない」というのは誤解である可能性が高いです。
特に共働き(ダブルインカム)の場合、収入は2倍、生活費は1.5倍になるため、貯蓄スピードは加速します。この余剰資金を投資に回せば、FIRE(早期リタイア)への道も現実的になります。
「コスパ」で考えるなら、良きパートナーを見つけて「家計の共同経営」を始めることこそが、最も合理的な生存戦略と言えるかもしれません。
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